私の若いころは、一つの会社で最後まで働くことが美徳とされていました。
また、会社を辞めて転職するなどと話せば、
「今の会社で上手くできない奴は、他の会社に行っても上手くいかないぞ」
「一度挫折して他の会社に転職しても、また嫌になって辞め癖がついてしまうぞ」
「他の会社の方が待遇(給料)が悪いから、退職せずにこの会社で最後までがんばれ!」
色んなことを言われました。
果たして本当に転職は悪で、一度辞めたらそれが癖になるのでしょうか?
実際に私の経験から今回はお話をしたいと思います。
一度辞めると癖になる?
一度会社が嫌になって辞めてしまうとそれが癖になり、転職を繰り返すようになるという話をよく聞いていました。
実際に私の友人や知人も何度か転職を繰り返している人がいました。
そんな人たちを見て、「一度辞めて終えばそれが癖になる」と信じており、私は会社は定年まで努めようと思っていました。
しかし、上司のパワハラに耐えきれなくなり、退職しました。
一体私はどうなってしまうのだろう?
友人や知人が転職を繰り返しているように、私もそうなってしまうのか?
不安がありながらも何とか転職先を探しだし、採用されて勤めることになりました。
初めての転職先
私は退職後に地元で有名なレストランに転職しました。
結果から言えば、そこは1ヶ月で退職しました。
理由は仕事の内容や忙しさからではなく、店長のやり方に疑問があり、納得できなかったからです。
そのレストランは地元で有名店ということはあって、平日でもお店に行列ができるほど人気店で、開店から閉店まで大忙しでした。
出勤初日、実践で仕事を覚える
私は出勤初日、いきなり現場でホールに立たされました。(面接では初日は研修を行うという話だったのですが…)
開店30分前に出勤し、お冷の出し方を教わり、テーブル番号が書かれた見取り図を渡され、「これを開店前までに頭に入れておくこと」と店長に言われました。(テーブル番号は各区間で番号が飛んでいて覚えにくい)
テーブルに番号は表記されておらず、配置を開店までに丸暗記しなければなりませんでした。
あまり時間がなく、内心焦ってパニックになったことを思い出します。
それから備品類の配置を覚えるようにと言われ、自分で配置されている備品を見てまわりました。(何に使う物かもわからないものもあり戸惑いました)
開店後、店内はお客さんでいっぱいになり、私はお冷をだしたり、食べ終わった後の食器やテーブル片付けを訳もわからず一生懸命にしました。
仕事中、飲食店で使われる用語が飛び交い、それを習っていない私は理解できず、マゴマゴしていると、店長から「言われたらすぐに動く!」と注意をされ、意味もわからず右往左往してしまいました。
ようやくひと段落して小休憩で立っていると、またも店長から「ジッとしてないでお冷が減っているテーブルを周りなさい」と言われ、休む暇もなく働かされました。
接客やテーブルや食器の片付け・専門用語・その他レストランでのルールは、先輩スタッフ(全員年下)のやり方を見て、実践で覚えていきました。
ただでさえ忙しい仕事なのに、研修もなくいきなり実践での仕事で、初日は疲労感がハンパなかったです。
仕事中は小休憩も取らせてもらえないため、水分補給やトイレ休憩は一切できませんでした。
(少し暇になったとしても、「今手が空いてるから少し休憩して」とか「水分補給をして」などの呼びかけは一切なし)
初日終了後、店長は「どうだった?すごく忙しかったでしょう?うちのレストランは人気があるからね〜!」と労いの言葉はなく、ただ自分の店自慢のような言葉しか掛けてもらえなかったです。
初日は覚えることが多いことで疲れ切ってしまいました。
「最初は研修をしてから実践するのではないのか?面接と話が違うじゃん」と嘆き、「仕事は見て覚えろ的な対応って昭和かよ!?」と店長のやり方に納得できず帰宅しました。
職場内の雰囲気
職場のスッタフは20代が多く年下ばかりで、私よりも年上なのは店長と洗い場スタッフ2〜3名いるだけでした。
年下から指示されるということは、新人である立場の私は全然問題にはしていなかったのですが、年齢差がありすぎて、お互いにどう接すれば良いかわからない状況でした。
一人だけ私と年齢が近いスタッフがいて、仕事を丁寧に教えてくれたり、仕事のフォローがすごくできて、その人のことを「店内唯一のオアシス的な人」と思いました。
こういった気配りが店長に求められているのだよな〜と感じたものです。
店長に関しては、仕事の教え方は雑であり、仕事のミスのフォローはなく、ただ注意してくるだけで気配りもなく、自分の店の環境に酔いしれているって感じがあって、だんだんと嫌になってきました。
業務内容にマニュアルがない
正社員のスタッフは、ほとんど店内の仕事内容はマスターしていました。
私はマニュアルがなく、説明や研修がないため、正職員のスタッフの業務を見てマネをし、やり方を聞いたりして何とか仕事を覚えていきました。
お店には私よりも数ヶ月前から働いているアルバイト生(学生)もいました。
そんなアルバイト生は、私のできないような業務(オーダーや食事の配膳)はもちろんできます。
しかし、私が覚えた業務(お茶の入れ方、生ビール作り)などは習っていないためできないということを聞いて驚きました。
一通り全ての仕事内容を教えているのかと思えば、全然そんなことはなく、行き当たりばったりで仕事を教えられているということでした。
私は今まで一つの会社でしか働いたことがなかったのですが、こんなにもいい加減な職場があるのかと呆れてしまいました。
私は前の会社ではマニュアルを作り、新人やアルバイトでも業務がわかるように指導し、仕事が始まる前に一通りやり方を説明したり、実際にやってみせたりしていました。もちろんいきなり仕事はできないでしょうから、しばらく一緒に仕事をしてフォローをしていました。
地元で有名な人気レストランですが、仕事の教育は大変ずさんなものだと思いました。
*注:教育はずさんでしたが、調理場などの衛星管理はきちんとしていました。
転職4日目で退職を決意
地元で有名なレストランということで、心の中で理想をもって転職したのですが、仕事のやり方に疑問がでてしまい、わずか4日目で退職しよう決意しました。
我ながら早いと思ったのですが、このまま納得できないままズルズルと仕事をしても、自分にとっても相手にとっても良くないと判断して決断しました。
2度目の退職届を出すことは、初めて退職届を出した時と同様に緊張しましたし、頑張ります!と意気込んで転職したため、後ろめたさも感じました。
まあ、実際に退職を伝えたのはそれから1週間後になりましたが。。。
同じ転職者も早期退職
退職を伝えたものの、あと3週間は働かないといけないため、何とか最終日まで頑張りました。
ある日、店長が採用面接を行っており、前職で別の飲食店で調理として働いていたと言う経験者を雇うことが決まりました。
「経験者なら即戦力になるから、初心者の自分よりもマシだよな」と思っていました。
面接で店長が言っていたことが聞こえてきたのですが、「ウチの店ではいかに前職での経験があろうとも、初級者として扱うので、その心構えできて欲しい」と言っていました。
「また厳しいこと言うなこの店長は」と半ば呆れて聞いていました。
1週間後にその人が初日に出勤しました。
調理場で働くものかと思っていたのですが、洗い場担当になっており、バタバタと慌ただしく仕事をしていました。
その人もいきなり現場に放り出されており、どうすればいいのかわからないと言った感じで、慌てふためいていました。
「私も初日はこうだったのだろうな〜」とまだ2週間しか働いていないのに、妙に懐かしさを感じたり、その人に同情して見ていました。
数日後、何とその人は突然連絡もなしに辞めたのです。
さすがの店長もそのことで悩んでいる感じで、「自分のやり方が悪いのかな?」とスタッフの人に聞いていました。
私は心の中で「こんなにいい加減で、ずさんな教育体制であれば、それは嫌気がさして辞めたくなるわ」と思いました。
転職者は決断が早くなる
上記のことから、私は最初の転職先を1ヶ月で辞めました。
転職者は辞め癖がつくということは、私は違うと思います。
今まで働いてきた経験から、転職した会社が「自分に合っているか」、「スキルアップや自身の成長に繋がるか」の見極めができるからこそ、すぐに決断でき、自分に合わないようなところや成長できないところはすぐに離職するのだと思います。
上司や職員との人間関係、仕事内容、給料、教育や会社の理念など、長く働いていけるのかを見極められる判断力があるからこそ、転職を繰り返す人がいるのだと思います。
新卒生は社会経験がないため、職場環境が自分に合わずとも、それが当たり前なのだろうと仕事を続けられるのでしょう。
しかし、転職者は経験した学びがあることにより、自分に合わない会社にいたら危険であると判断できるのだと断言できます。(中には働くことが嫌いで続かない人、対人関係が苦手で辞める人もいるでしょうが)
結論
私は自分にあった職場(人間関係・給料・成長を感じられる等)が見つかるまで、転職を繰り返してもいいと思います。
私みたいな40代は転職ラインをギリギリ超えているため、慎重になる必要はありますが、蓄えがそれなりにあれば、もっと気楽に働ける会社に転職するのもありだと思います。
注意点としては、いくら年齢が20代30代と若い年齢層でも、1年未満での転職を何度も繰り返すことは、今の日本ではオススメはできません。
会社も長く働いてくれるような人を求めているでしょうし、何回も転職を繰り返している人を雇ってすぐに辞められたら困るという理由から、採用を見送ることがあるからです。
また、退職した時の理由も重要になってくるかと思います。面接の時は本当の理由ではなく、会社にプラスになるような理由も必要になりますね。
人生は一度きりなので、自分で決断して、転職するというのはありです。
職場がブラック企業で、自分が壊れてしまうという方はすぐにでも転職をした方がいいです。
私も2回目の転職先は自分に合っており、何とか続いています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
それではまた、お会いしましょう♪
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